心ノ囁キ ーサヨナラのオトー
たまにお茶を飲み、近くの小川の水が流れる音を聞いている朔哉と…
何もせずただ空を見上げている乃栄。
端から見れば、とても絵になるような風景だ。
先に喋り出したのは、乃栄だった。
「…なんか疲れた時とか、」
「?」
「なんの理由もなく来たりするんだ、ここに。」
「へぇ。…確かにその気持ち分かるかも。」
「なんで?」
「わかんねえ。けど、空が広々としてて、俺は好き。」
「…話が合うじゃない。」
「ははっ。似てるって言ったの誰だっけ?」
「…私です。はい。」
時間を忘れて、2人はずっと会話していた。
気がつけばもう時間は6時半を過ぎていた。
「…帰るか!」
「うん。」
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