心ノ囁キ ーサヨナラのオトー
数分後、
とうとう着いてしまった。
別に、貧乏ではないから乃栄の家は普通の一軒家。
クリーム色の壁、真ん中にある茶色い扉、正面から見て二階の左右に白い枠の出窓がある、綺麗な家だ。
乃栄は、門を開け入ると、鍵をあけ家に入った。
「………。」
何も言わず、自分の部屋に行こうとした時だった。
「あら、帰ってきたの。ただいま、の一言ぐらい言ったら?」
リビングの方から出てきた乃栄の母。
まるで、"こっちに来るな"とでも言っているような目で乃栄を見ている。
そんな母親を無視して、乃栄は階段をのぼろうとした。
「…ッ!!!!なに無視してんのよ!」
「近寄らないで、みたいな顔してるのはあなたではないですか。母さん。」
負けじと冷めた目で母親を見て言ったその時…!!
ドカッ!!!!
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