心ノ囁キ ーサヨナラのオトー
「うーん…続きが気になるなぁ。下巻も今日中に買っちゃおう♪」
そんな事を言いながら、乃栄はまた本を読み出した。
乃栄がクラスで孤立していたのは
簡単な理由だった。
高校に入学してから1人で ただずっと、
友達作りに目もくれず、
読書、読書、の学校生活をしていたからだ。
気がつけば、まわりはいくつかの仲良しグループができていて、
しまいには予想通り、自分だけが残されていた。
けれど、
友達はそれほど必要ない、読書ができればいい!…と思っていた乃栄は、
どうでもいいか、と普通に過ごしていたのだった。
そのうち、何も喋らず読書ばかりしていたからか、
より一層孤立してしまった。
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