心ノ囁キ ーサヨナラのオトー
『あーあ、バレなきゃいいけど…』
こそこそと廊下を歩く乃栄は、
きっと他人から見たら
とても変な人だと思われるだろう…。
順調に2階に降りてこれた乃栄は、目の前の角で止まった。
なぜなら、
角を曲がった廊下には職員室がある。
1階への階段に行くには、職員室の前を通らなければならない。
先生がよく出入りするからこそ
慎重に…慎重に…
角を曲がった瞬間
「ああー!!!!片霧さん!」
曲がってすぐ
歩き出そうとしたとき、
偶然にも目の前にいたのは
若い女教師。
『み…見つかった…』
こりゃ参った…と、乃栄は眉を下げた。
「しかも厄介な奴…ボソッ」
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