抱けないあの娘〜春〜
第一章
まだ寒さの残る3月。


僕は教室の窓から校庭をぼんやりと眺めていた。


この高校に入学して約一年、そこそこ楽しい高校生活を送っていた。


ある一部を除いては…


ま、ぶっちゃけ今は彼女もいなければ好きな女の子がいる訳でも無いんだから、仕方無いんだけど。


色んな盛りの16歳、そりゃそれなりの欲望もあるけど、


女なら誰でもいいやっていう気持ちにはなれないんだな。


中学からの付き合いの可奈と別れてから、何だか色々面倒くさくなったのが本音かな。


しかし女っつーのは何であんなにまどろっこしいんだ!?


年中泣くわ、疑うわの往来に程々エネルギー使いましたよ、ハイ。


別れようって言った時なんて、僕の携帯は可奈からのメールや着信ですべて埋め尽くされ、携帯を見るのもうんざりだった。


「…面倒くせ…」


が僕の口癖になった。
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