抱けないあの娘〜春〜
さつきさんは小さく震えて泣いていた。よっぽど怖かったのか、寒さのせいかわからなかったが、僕はその震えと涙の元を取り払えるなら何でも出来る!!と思った。

「…ごめ…ごめ…なさ…い…」


声にならない嗚咽を漏らすさつきさんを僕は抱きしめていた。


やべぇ。


離したくない。


もっと強く抱きしめたい。

でも…


壊してしまいそうだ。



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