抱けないあの娘〜春〜
諏訪キャプテンと合流し、二人でさつきが行きそうな場所を探そうと走り出した。
その時、足元に何かが引っ掛かった。
拾ってみると…
それは紐の千切れたピンクのイルカのストラップだった。
間違いない。さつきのだ。
さつきはピンクのイルカの頬に赤いハートマークを書き、僕のブルーのイルカの頬に、野球のボールを書いてくれた。
これならもし無くしてもすぐ見つかるよねって。
さつき…
どこにいるんだ!?
さつきのストラップを握りしめ、僕は諏訪キャプテンと必死に探し回った。