抱けないあの娘〜春〜
ぎしりと二人分の重みにきしむベッド。
僕はついばむようなキスの雨を降らしながら、さつきの部屋着のボタンを一つずつ外していく。
さつきから放つ甘い香りにクラクラしながら、さつきの頬から首筋へキスを落としていく。
「う……ん……」
さつきは半分眼を覚ましたのか、可愛らしい唇から甘い吐息が漏れる。
「さつき…大好きだよ…」
大きくは無いが形の良い胸にそっと手を当てる。絹のような滑らかな肌に触れていると、もう僕は完全に理性を失っていた。
「咲哉…私…やっぱりまだ怖い。」
僕のシャツにしがみつき、潤んだ瞳で訴えるが、狼と化した僕はやめようとしなかった。どんどんエスカレートしていく欲望に勝てなかった。
「さつきが欲しい…好きなんだ。もう耐えられない…」
「初めては咲哉にって…決めてたから…けど…まだ気持ちの整理がつかないの…ごめ…ん、ああっ!」
さつきの胸の頂を口に含んだ瞬間、さつきの背中が弓なりに反り返る。ガタガタと震える肩にサラリと黒髪がなびいている。
僕はさつきの身に纏う最後の一枚に手をかけた。