抱けないあの娘〜春〜
第四章
グランドの外で、さつきが待っていた。
相当泣いたのだろう、目を真っ赤に潤ませていて、また抱きしめたい衝動に駆られた。
あの涙にはホント弱いわ…
僕はさつきの手を引き、人気の無い木陰へ連れ出した。
さつきは目をキラキラ輝かせながら「私…感動しちゃった…サヨナラホームラン打った時、あの人、私の大好きな人なんだよって叫びたいくらい嬉しかった!!」
も〜なんて嬉しいこと言ってくれるんだっ!!
可愛いすぎるぜ!!
思わず僕はさつきを抱き寄せ、チュッと頬にキスをした。
僕のいきなりのキスに驚き、真っ赤になるさつき。
あぁ癒される…