抱けないあの娘〜春〜
全く!何なんだよ!!
完全にお袋のペースじゃんかっ!!僕の存在は何処!?
お袋の強引さは親父を大きく上回るからな…
でも当のさつきは楽しそうにお袋とドレス選びしてる。
さつきをお袋に取られたみたいでイライラしてきた。
半分いじけて出されたコーヒーをソファに座ってすすっていたら、
「咲哉、あんたは早く着替えてらっしゃい。あ、そうそう、靴がもうサイズが合わないようだから、自分で選んで来てね。」
しっしっと犬でも追い払うかのような扱い。
「わかったよ。」