ラフ・メイカー
「どうも……こんにちは」 

フードをとり、男はニカッと白い歯を見せて笑った。 

老人が着るような薄汚れたローブではあるが見た目は若い。
 
25歳くらいであろうか。 

「あなたは祈りを捧げに参られたのですか?」
 
シスターの声に、男はこくりとうなずき、ツカツカと音をたて、孤児院に入ってきた。
 
「神は誰にも平等だと聞きました……私も恩恵に授かりたいと思いましてね」
< 11 / 70 >

この作品をシェア

pagetop