ラフ・メイカー
ウルフという男の顔をよく見てみれば、満月のように丸い目に、尖った犬歯が二本。
 
狼というよりは、犬に近い男だと感じ、ベルは笑ってしまった。
 
「ほら、名前を聞くと笑われてしまうんですよ」
 
ウルフは肩をすくめ、おどけた表情を見せる。
 
それを見たシスターまで笑い声をあげている。
 
やわらかくも暖かな人柄をベルはウルフに見るのだった。
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