ラフ・メイカー
「はい……そうです」
 
少しためらいがちにウルフは答える。
 
「あなたは、すごく暖かい人だと思うわ……だけど、あの時のあなたは私の知ってる魔導師だった」
 
野盗に魔法で立ち向かうウルフはまるで、両親を殺した魔導師のようにベルには見えたのだ。
 
「私は……魔導師です。いくら良い魔導師だなんて言っても、拭い去る方法はないんだと思います」
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