ラフ・メイカー
どこか寂しげなウルフを見て、ベルはゆっくり深呼吸をした。
 
「あなたは、これから手品だけで生きていくつもりなの?」
 
「……それができれば、そんなに嬉しいことはありません」
 
何かあると言わんばかりのウルフの口調。
 
ベルは、そこに自分の聞きたいことの核心だと思った。
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