ラフ・メイカー
「お帰りなさい、ラズベル」
 
「あっ……見てらしたんですか?」
 
シスターはベルを見つめる女神の像を見て、にこりと微笑んだ。
 
「今日も両親があなたを見守っているようね?」
 
「はい。いつものことです」
 
シスターの眼鏡の奥の目が少し大きく見開かれ、すぐにそれはもとに戻った。
 
「そうね……何時も通りのこと。それほど幸せなことはないわね」
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