‡パルソナ‡ 孤高の唄姫



尋ねたのはいいけど、シーラはなかなか言葉を発しない。



ただ涙を流すだけ…



その涙は床に溶けるように消えていった。


それを見てあたしはシーラと最初に出会って聞いた歌の一部を思いだした。



『泪の雫は誰も知るすべもなく深い海の底へ墜ちていくのね』


なんだか今見ているのはその歌の一部を見ているような気がする。



あたしはそんなシーラの涙と赤い瞳をじーっと吸い込まれるように見据える。








あっ!!




.
< 131 / 371 >

この作品をシェア

pagetop