‡パルソナ‡ 孤高の唄姫
あたしとノエルの間にひょこっと割ってきたファイが、元気よく手を挙げて言った。
「じゃ行こっか。」
「はいっす!」
そして、あたしとファイは昨日行った湖に向かった。
茜菜を見送った後、レイはノエルに目を向ける。
「茜菜の様子がおかしかったですね。」
「…」
「昨日はあんなに元気だったんですけど…」
「…お前は本当にあのバカ女を心配してんのか?」
その意味深な言葉にレイは眼鏡を人差し指で上げて
「どういう意味ですか?」
とノエルに尋ねる。
二人の間に割って入るように、風が二人の髪を揺らした。