‡パルソナ‡ 孤高の唄姫


シーラのあの涙…


今でも鮮明に覚えてる


「あたしは目の前で見たんだ…辛そうなシーラを…」


ノエルの胸倉を離すと、あたしの目から止めどなく涙が溢れてきた。


「お前にシーラの辛さがわかんねぇのかよぉ!」



すると、あたしはふっ、と力が無くなったかのように、地面に倒れていくのがわかった。


レイやファイがあたしの名前を呼ぶ声が上から浴びるように聞こえてくる。


ノエルがおい、バカ女と言っている声も聞こえてきた。




ぜんぜん動かない…


どうしたんだ、あたし?


なんかこんなこと…五年前にもあったよな…



すると、あたしの記憶から"あの人"の顔が浮かんできた。


「爽(そう)…」


そして、あたしは意識を、手放した…






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