‡パルソナ‡ 孤高の唄姫


つり橋を渡り終わったのにも関わらず、あたしはいまだにファイの服の袖を掴んでいた。



「茜菜、どうしたんですか?ファイの服なんか掴んで…」



あたしはしばらく気付かなかったけど、ファイの服の袖を見て、あわてて離した。



「いやぁ…そのぉ…」



どうしよう、高いところが苦手だったから掴んでた、なんて恥ずかしすぎて言えねぇよーーー!!



「お前、もしかして高い所苦手?」


半信半疑で聞いてきたノエルの言葉にぐさりと来たあたし。



黙り込むあたしを見て、しばらく沈黙が流れたが、それを破ったのはノエルのでかい笑い声だった。



「お前っ、マジかよ。ヤバいっ、また笑いが…」





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