‡パルソナ‡ 孤高の唄姫
あたしは静かにベッドから出て、ノエルの近くまで歩いた。
ノエルはそれでもあたしを見下したように見つめている。
あたしはそんなノエルの胸倉を掴み、あたしの顔の近くまで引き寄せた。
「さっきからてめぇは何様のつもりだ、えぇ!!
あたしの頭は正常だっつぅの!
ちょっと美形だからって調子に乗ってんじゃねぇよ!この馬鹿王子!!」
ノエルはそんなあたしを目を大きく見開いて凝視していた。
してやったり、と思ったあたしだったが、すぐとんでもないことをしてしまったと後悔した。
しまった!!!
ついいつものくせが…!!
あたしはすぐにノエルの胸倉を離した。
だが、ノエルは体がわなわな震えている。
レイに助けを求めようとしたけど、肝心なレイは椅子に座りながら必死に声を押し殺し笑っている。
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