‡パルソナ‡ 孤高の唄姫


あたしは静かにベッドから出て、ノエルの近くまで歩いた。



ノエルはそれでもあたしを見下したように見つめている。


あたしはそんなノエルの胸倉を掴み、あたしの顔の近くまで引き寄せた。



「さっきからてめぇは何様のつもりだ、えぇ!!


あたしの頭は正常だっつぅの!


ちょっと美形だからって調子に乗ってんじゃねぇよ!この馬鹿王子!!」


ノエルはそんなあたしを目を大きく見開いて凝視していた。


してやったり、と思ったあたしだったが、すぐとんでもないことをしてしまったと後悔した。



しまった!!!
ついいつものくせが…!!


あたしはすぐにノエルの胸倉を離した。


だが、ノエルは体がわなわな震えている。


レイに助けを求めようとしたけど、肝心なレイは椅子に座りながら必死に声を押し殺し笑っている。



.
< 24 / 371 >

この作品をシェア

pagetop