‡パルソナ‡ 孤高の唄姫
前からはコツ…コツ…という靴音が聞こえる。
ヤバい…
あたしは近くに落ちていたパルソナを杖にして、体を震わせながら立ち上がった。
「ハッ、なかなかいい殴りじゃんか…」
ぼそっと呟いたあたしは顔を上げ、不敵な笑みを見せると、歩いてくるライオスの瞳を見据えた。
赤い炎のような瞳なのに、どこか氷のような冷たさを感じるその瞳にあたしは胸が締め付けられた。
もう少しの辛抱だからな、ライオス。
口から出てる血を手の甲で拭い、ライオスが近づくのをただ見つめた。
というか、正直体のあちこちが痛くて動けない。
だから、あたしは近づくのを待ち、相手のすきを見て一発勝負にかけようと考えたのだ。
目の前まで歩いてきたライオスはあたしを鋭い目で睨みつけていた。