‡パルソナ‡ 孤高の唄姫

俺は湯気が立ち込めるコップの中身をまじまじと見つめる。


そんな俺を見てか、男はふっと笑った。


「そんな警戒しなくても大丈夫だよ。毒なんか入ってないから」


素早く顔を上げると、男は優雅にコップの中に入ってる飲み物を飲んでいた。



俺もそのコップの中身を恐る恐る口にしてみる。


「あつッ!?」


俺はあまりの熱さにコップを落としそうになった。



おまけに苦くて、口の中にその後味が残ってしまった。


なんや、これ…



「まだ君には"コーヒー"は早かったかな？」


男はそんな俺を見て、苦笑いを浮かべた。


どうやらこれは"コーヒー"という飲み物らしい。


俺は何となく悔しかったけど、図星だからなんも言われへんかった。