‡パルソナ‡ 孤高の唄姫



「ここが皇室の間でございます。」


そんなことをしているうちに、大きな扉の前に着いた。


執事はその大きな扉をご丁寧に開けてくれた。


「あっ、ありがとう。」


執事に軽く頭を下げてお礼を言うと、執事は静かに微笑んでくれた。



あたしもそんな執事に笑いかける。


「帰りてぇ…;」


「絶対、逃がしませんからね。」


レイはノエルの呟いた一言に念を押す。


あたしはそんな二人を見て、レイの方がノエルより格段と立場が上なんだと思った。



そして、レイ、ノエルと入って私が最後に皇室の間に入る。



そこにはだだっ広い部屋にぽつんと1つだけ王座があり、後ろの壁は一面ガラス張りの窓になっていた。


窓の向こうは雲一つない青空が広がっている。


それでか、窓は水色一色に塗られてるように見えた。


「よく来てくれた。

笹木茜菜。」


その王座に白いひげを生やした小太りのおじさんが座っていた。


たぶん…



この人が国王なんだろう…





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