‡パルソナ‡ 孤高の唄姫



幸せが掴めたと思ったのに…


その幸せすら、蝶のように逃げてしまう。



狭き世界に私は一人…



またフィリアお嬢様が歌ってる。


この目の前の大きな部屋に監禁されてから、毎晩のように歌うようになった。


歌は聞こえるのに、あの悪夢からフィリアお嬢様の顔を一度も見ていない。



俺もあれから体の成長が止まってるみたいやから、多分お嬢様もあのままなんやろう。



ほんまにかわいそうなお嬢様。


今この場所にお嬢様がいたら、俺はためらうことなく抱きしめるやろう。


俺はまた灰をすくってみた。



あぁ、神様──



神様じゃなくてもいい。



ダレカ…




ダレカオレヲ───





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