‡パルソナ‡ 孤高の唄姫
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あたしは二階の手すりを握りしめながら会場を見下ろして、茫然と立ち尽くした。
「広すぎだろ…」
そこには大きいシャンデリア、美味しそうなご馳走、たくさんの人達。
クラシックの音楽が部屋中に流れ、心を和ませる。
さすが国王の開くパーティー、普通のとは訳が違う。
でも、あたし一人、違う意味で目立ちそう…
「どうしたんすか?」
ファイはあたしの顔を覗きこむようにあたしに話しかけてきた。
「いや、なんか雰囲気が凄すぎてびっくりしただけ!!」
人の笑い声とクラシックの音楽であたしの声がかき消されそうになり、大声を上げる。
「なかなか賑わってますね。」
そんな中、明るい声が後ろの方で聞こえた。
そちらの方を振り返ると、ノエルとレイが廊下から歩いてきていた。
あたしはその二人のツーショットを見て思わず息を呑んだ。
なぜかここで見る二人が異様に輝いて見えたからだ。
あたしは思わず目をこする。
でも二人はやっぱり輝いていた。
美形が揃うと、こうも美しく見えるのか…
一人、何かこの二人に遠い物を感じたあたし。
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