‡パルソナ‡ 孤高の唄姫



「何してんだ、てめぇは…」


突然後ろからノエルの不機嫌そうな声が聞こえてきた。


早速バレてしまった;


あたしは体をピンと伸ばし、ぎこちなく振り返りると、不機嫌な顔のノエルが腕組みをして立っていた。


あたしはそんなノエルに苦笑いを浮かべる。


「いや〜…ちょっと外の景色を見ようと思って…

って、それを言いにきたんじゃねぇよッ!!お前よくもさっきはあたしにあのおばちゃん押し付けたなッ!!」



あたしの言うことに


「さぁ?何の話だか」


ととぼけたように言うノエル。




ほっんとうにム・カ・ツ・ク




「とにかくッ!!おばちゃんの話聞いて疲れたから、しばらくここにいさせろよ!」



怒った口調でノエルに一言言うと、ベランダに両腕を乗せて空を仰いだ。



「───ここの空は綺麗だな。」



あたしの住んでた所も田舎だったから綺麗に見えたけど、ここまで鮮明には見えなかった。


さっきまでの怒りが嘘のように消えていく。


その時、あたしは体が半分ベランダの外に出てたことに気づかなかった。



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