‡パルソナ‡ 孤高の唄姫
そんな言葉にも耳を傾けず、あたしはこう言った。
「あんた……そんな無愛想な顔より笑った方が絶対いいよ!!」
温かくもなく、冷たくもない風があたし達の間を通り過ぎていく。
あたしの言葉に驚愕とした表情になるノエル。
だが、すぐにまた元の無表情に戻り、あたしの手を振り払う。
「…うっせえな、俺の勝手だろ。」
「でも、せっかく美形に産まれたんだからさ。もっと笑顔でいたらモテるぞ、ぜったい」
氷のように冷たく、棘のあるノエルにあたしは両手の人差し指で口元を押さえて笑顔を作ってみせた。
「…バカくせぇ。」
「なッ!バカくさくねぇよ!」
半分バカにしたように言ったノエルにあたしはむきになる。
「笑顔っていいことなんだぞ。
悲しい事があっても、その悲しんだ二倍分、楽しい事が起きる」
そうあの時も…
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