‡パルソナ‡ 孤高の唄姫
そこは会場とは少し離れた部屋。
そこで国王はクラシック系の音楽を聞きながら、椅子に座り、あたし達に背を向けていた。
「なんでこんな所にいんだよ。」
あたしは国王の部屋の周辺を見回しながら尋ねる。
部屋の中は薄暗く、光輝く会場とは真逆だ。
自分が決めたパーティーなのに…
「…わしはパーティーは好きだが、それはみんなの楽しそうな笑顔を見れるから好きなのじゃ。」
あたしは「ふーん」と言うと、国王はあたし達の方に椅子を回転させ、頬杖をついて言った。
「ここに来てもらったのは、お前の能力についてのことを話しておきたかったからじゃ。」
「あたしの…能力…?」
そんなの、このあたしが持ってるはずがない。
だってあたしはごく普通の女子高生だったんだから。
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