桃川中学校吹奏楽部
新学期テストも終わり
「やばい、脳死んだ」
「うちも」
菜々と葉月と喋っていると
綾瀬くんがみんなの視線をはずしてこういった
「昼休み屋上」
「りょーかい」
私と綾瀬くんが喋るたびに
栗林さんから視線を感じるのがわかる
彼女のクリッっとした大きな目にショートカットの髪の毛
決してモテない顔でもない
私はその彼女の存在感に吸い込まれそうだった
そして昼休み
「じゃあ、ハルに呼ばれてるからいくね」
「いってらー」
ふたりはそう私を見送ってくれると
私は屋上へと走った
キィ・・
重いドアを開けると
ハルが壁にもたれていた
「ごめん、待った?」
「いや別に」