桃川中学校吹奏楽部

「うわぁ、バカップル参上ですか。いいもんね、うちは神崎がいるし。」

 

「そっか」


私達はこんな会話を軽く交わしてから

 
真美と別れた

 
真美以外にもたくさんの人に会う。

 
綾瀬くんの先輩にも会った。


「ハル~。お前噂の彼女ってこの女か!お前も結構やるじゃねぇか!」

 
「先輩うるさいっすよ」

 
「ハルはな、まあいろいろダメな男だから、もうまっすぐなことしかとりえがねぇからな!バスケでも恋愛でも!こんな男はやめといたほうが・・」

 

「先輩っ!!」

 
「俺ちゃんとほめたぞ?プレーも何もかもまっすぐだって」


 
綾瀬くんの先輩が言った


『何ごともまっすぐなプレーをする』

 
あたしはハルの試合もちゃんと見たことがないけれど

それはなんだか分かる気がする


 
ハルのいいところは まっすぐなところ

 

一緒にいてもまっすぐな愛が伝わってくるところ

 
私は幸せものだ

 
私は幸せものだ

 
「ハルッ!がんばれよ!」

 
「ッ」


先輩の言葉でハルの顔が赤くなる

 
先輩の姿が遠くなっていった
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