桃川中学校吹奏楽部

「おーい、ハルー辞書貸してくれー」


「おう」


ほかのクラスの友達が来たらしく


ハルは教室を出る



「おい石澤・・お前ほんとに・・」


「あのね伊藤、お願いだからハルには黙ってて」


「何でだよ。そんなのハルも彼氏としてのプライド傷つく・・」


「それも分かってる、でも、だめなの。ハルに心配かけたくない」


 
「・・ハルがそれで怒っても知らないぞ?」


「うん・・」


「ハルはまっすぐなんだから、一直線なんだから、お前にな」


 
そう伊藤は言い残した。

 

ほんとはあたしだって


ハルに守ってもらいたい


でも


ここでハルに頼ってたら


あたしがダメになっちゃう


 
ひとりで耐える力が



なくなっちゃう気がする


 
そしてますます


栗林さんに嫌われるような気がする


 
だから そうなんだ


頼っちゃダメなんだ
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