桃川中学校吹奏楽部
まだまともな授業もなく


まだ硬い教科書


ずっとオリエンテーションの日々が続いた。


「ゆ~りあ~!!」


声をかけてきたのは


木下絵梨(きのしたえり)。


小学校のころからの仲良しだ。


「なぁ、仮入部どこ行く?」


今日は部活紹介のオリエンテーションがあり

 

各部活をやってみてくれたりする

 
「いや、もちろん吹奏でしょ!」


「だよねぇ~」

私は元々ピアノを習っていたりして

音楽には興味があった

吹奏楽部にはもともと入るつもりだった。

いろいろな部活紹介が終わる中

「吹奏楽部です」


とアナウンスがあり、演奏があった。


とても綺麗だった。


吹奏楽は美しいと初めて思った。


生まれて初めて


音楽を聴いて鳥肌がたった


仮入部はもちろん吹奏楽に決めた。


A組のあさみと、C組の菜々と見学へ行った。


「どこいく~?」


校内で散らばって練習している部なので


いろいろなとこで体験できる


「やっぱフルートでしょー」


絵梨が言うと、菜々もうなずいた。


「んー・・うちはクラかなぁ・・」

私は言った。


クラリネットに元々興味はあった。


とりあえずいちばん近かったクラリネットに行くことになった。

何台か用意されているいすに座ると

「えーっと、まぁまずこれ吹いてね」


といわれ、マウスピースを手渡された。


「唇をこーやって巻いてー先のほうくわえて噛んでね」

先輩が丁寧に指導してくれる。


でも、最初は4人とも音が出ず、息のもれる音が続く。


ピーッ・・


私のマッピから、綺麗ではない音がでた。


「おーっ!でたぁー」


先輩はそういうと、楽器をつけた。


あまりたくさんの音はでなかった。


いろいろ回った。


フルート、トランペット、ユーフォニアム

チューバ、コントラバス、ホルン、サックス・・


そして


トロンボーン
< 2 / 209 >

この作品をシェア

pagetop