桃川中学校吹奏楽部
家から会場まで遠いので

浴衣は着ないけど

倉本君に


会えたらいいな


かすかな期待を胸によせた。


でも、今日の野球部の練習に


倉本君の姿がなかった。


・・なんでだろう。


6時前になって、私は家を出た。


「葉月~おそいー」


なんだかんだでいちばん遅かったのは葉月だった


「ごめんごめんー」


そういって会場に向かった。


「ついたー」


遠くから見覚えのある男子の大群が。


・・バスケ部か。


綾瀬君、森下くん・・うちのクラスばっかじゃん。


森下君とは小学校一緒だったから喋ったこといっぱいあるけど


綾瀬君とは・・入学以来ほとんど喋ってないなあ・・


綾瀬晴輝(あやせはるき)・・


なんかモテてるけど全部フってるんだよね・・


野球部・・いないかなあ


「あーうち林檎飴食べたい」


絵梨と菜々と葉月がそう言い出すので


林檎飴のところへ行って


私はいちご飴を食べた。


「げっ・・たこやき1個500円とかぼったくりじゃん」

「ねー」


菜々とたこ焼きを買ったり


神社におまいりしたり


クラスや他の部のいろんな子にあったりした


「実~由子~!!」


浴衣を着た実由子はとてもかわいかった。


一緒にいたのは大宮くん。


「がんばれぇー」


私達は冷やかすようにいった。


がんばれ・・


あのふたり。


あっという間に花火の時間がきた。


倉本君と同小の男子はいっぱいきてた。


一応野球部にも会ったけど


それでもやっぱり


倉本君はいなかった。


私達は田んぼの近くに座って


花火が上がるのを待った
< 51 / 209 >

この作品をシェア

pagetop