桃川中学校吹奏楽部
倉本涼。
野球部の自称エース。
でもほんとに上手らしい。
背が高くて
やさしくて
おもしろくて
勉強はちょっとできないけど
男子との人気者。
遠くに倉本くんが見える。
実由子は譜面台が壊れたらしくて
先輩のところへ行っている。
先輩はまだ来ていない。
メトロにあわせてマッピを続ける。
倉本くんが近づく。
カッチ・・カッチ・・カッチ・・
メトロノームは正しくリズムを刻み続ける。
そのとき
ガシャッ・・キーン・・
後ろを振り返ると
「やべっ・・」
と言って足を止めた倉本君と
底のフタがとれ、針が止まって倒れてしまったメトロノーム。
「あ・・・」
思わず私は声を上げた。
「ちょっ・・何してんの!!」
「ごっ・・ごめん・・!」
倉本くんはあせりながら謝る。
「いっ・・石澤・・これって誰の?」
「学校の。」
「直る?」
「わかんない」
私はフタを広い、底にはめた。
ネジを巻き、床においてみる。
メトロノームは音も立てずに
ただ大きく横に棒が振るだけだった。
「・・・壊れた。」
野球部の自称エース。
でもほんとに上手らしい。
背が高くて
やさしくて
おもしろくて
勉強はちょっとできないけど
男子との人気者。
遠くに倉本くんが見える。
実由子は譜面台が壊れたらしくて
先輩のところへ行っている。
先輩はまだ来ていない。
メトロにあわせてマッピを続ける。
倉本くんが近づく。
カッチ・・カッチ・・カッチ・・
メトロノームは正しくリズムを刻み続ける。
そのとき
ガシャッ・・キーン・・
後ろを振り返ると
「やべっ・・」
と言って足を止めた倉本君と
底のフタがとれ、針が止まって倒れてしまったメトロノーム。
「あ・・・」
思わず私は声を上げた。
「ちょっ・・何してんの!!」
「ごっ・・ごめん・・!」
倉本くんはあせりながら謝る。
「いっ・・石澤・・これって誰の?」
「学校の。」
「直る?」
「わかんない」
私はフタを広い、底にはめた。
ネジを巻き、床においてみる。
メトロノームは音も立てずに
ただ大きく横に棒が振るだけだった。
「・・・壊れた。」