【完】キス、kiss…キス!
「また、連絡するね?」


キラキラ光線を放ち狡いくらい眩しくてあざと可愛い狙いすましたナオちゃんの笑顔が、気付いた時には少し遠くにあった。


『連絡するね』の声は寸分の狂いもなく、私の心臓をきゅうんとさせる。


「連絡って……」


「姫さん、昨日アドレス教えてくれたから!」


だから、昨日の、私!ホント何してんの、しかも全部自分から!怖い!


ナオちゃんは、そんな私の心の中での悲痛な叫びなんかお構い無しに、長い手をブンブン振って、颯爽と学校の方へ行ってしまう。


私は車の中で放心状態。


そして、放心状態から何とか心を取り戻し、ひとつだけ強く、決断する。


お酒は飲んでも呑まれるな。やけ酒なんか二度とすまい、と。
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