【完】キス、kiss…キス!
「16年間の中で、いっちばん最高のプレゼントだよ、ありがと、姫さん」


ふにゃあと笑った顔に出来る笑窪に、真ん丸な瞳が細まって、Jカールの茶色い睫が伏せた笑顔。


嗚呼……どうしてこんなにも幸せなんだろう。ナオちゃんといると、私の中の幸福感を貯蔵する袋が、いくつあっても幸せが多すぎて破裂しちゃいそう。



桶川姫子、26歳。年下彼氏との時間にこの上ないくらい幸せ感じちゃってます。


「姫さん、姫さんも食べよー!」


「良いよ。私はお腹いっぱいだから、ナオちゃん好きなだけ食べな?」


私の返事に『うん!』と首を大きく縦に振ったナオちゃんは、お手製のケーキを物凄いスピードで、一人でワンホール全部平らげる。


やっぱり男の子だなぁ、なんて思いながら美味しそうに食べる姿がとても愛おしいのです。
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