【完】キス、kiss…キス!
ボートデートを楽しんだ私達は再び岸に戻り、手を繋いで別荘へ戻る。
「イタタタ!俺も日焼け止め塗っとけば良かった!ヒリヒリだー」
太陽に照らされて鼻の頭と頬が若干赤くなっているナオちゃんは、金魚みたいで可愛いけど少し笑える。
クスクス笑い、それに『もー何ぃ?』なんてナオちゃんも笑いながら答えるやり取りをしながら別荘のドアを開けると。
「……あれ?」
私とナオちゃんは玄関を見て二人で目を合わせてしまった。
だって、そこには全く見覚えのない靴が二足。
ナオちゃんはしばらく考えるような顔をしていたが、ぐっと眉間にシワを寄せて何かピンときたような表情になった。
「まさか……!」
「ちょっとナオちゃん!?」
ナオちゃんは、そう呟くとビーサンを慌てて脱いで廊下をダッシュ。私も、ナオちゃんの脱ぎ捨てたビーサンを揃えて後を追い掛ける。