【完】キス、kiss…キス!
「ぎゃははっ!姫ちゃんやっちまったねー!ウ、ケ、る!」
「うぅぅ……気にしてるんだから、言わないでよっ」
上品な見た目とは裏腹に男らしい喋り方の伊久美は、『ナオちゃん』の話をすると腹を抱えて笑い出す。
「でもイケメンなんでしょ?いいじゃん!良いお食事で……ぶぶ!」
「ひっ……人ごとだからって!」
「ぶはは!姫ちゃんドンマイ!」
幸四郎まで!私の味方はいないの!?これ、私を慰める会の筈なのに!
確かに『ナオちゃん』はスッゴくイケメンだよ?だけども、だけどもですね……!
「高校生は犯罪だよ!」
私は昨日の罪を拭う勢いで、おじさんがするようにおしぼりで顔をゴシゴシ拭いた。