【完】キス、kiss…キス!



それから一週間、マジで居座りやがりましたよ、うちのバカ弟は、はい。


し、か、も!ナオちゃんをまるで自分の彼女のように買い物に連れ回すし、どうやら早苗ちゃんとまで仲良くなったみたい。


「大人になりたいチョコレートの両方と友達とか、合コンでモテるわー、ありがてぇ」


このチャラ男!だらしないし最低だしバカだし、お母さん、こいつに見合い相手見つければいいのに、なんて怒りの矛先は母親に向いてしまう。


とにかく、お仕事もやっと私に夏休みが回って来て、まとまった自由な時間が手に入る。っても、お盆休みがない代わりの、微々たるものだけど。


「ったく、姫子はとろいな。早く準備しろよ!」


実家に準備中の私のお尻に、遠慮なく蹴りを入れる智の力は容赦ない。


「痛っ!アンタ、華も恥じらう乙女に!」


「ウッセェババア!お前なんか俺からみたら年増だっつうの」


とっ……年増ぁぁ!?ホントこいつ、ム、カ、ツ、クぅぅぅ!
< 172 / 318 >

この作品をシェア

pagetop