【完】キス、kiss…キス!



「それで、何故姫子さんと広瀬さんがお付き合いすることになったのですか?」


広間の、長方形の定食屋にあるようなテーブルに隣り合わせで座る俺と姫さん。


その向かい側には、お母さんとダルそうな智さんが正座している。


「姫子さんが体調悪そうにふらふらと歩いているところを、僕がたまたま助けたのがきっかけでした」


お母さんには、だいたいのいきさつを美化して話す。酔っ払いの姫さんと……なんてお母さんに言ったら倒れるどころじゃ済まなくなりそうだし。


「広瀬さん、親御さんは何をされているのですか?」


「製薬品の会社の開発企業部に勤めております」


なんか、警察で取り調べされてるみたいだ。とにかく圧に、全部がぺしゃんこにされてしまいそう。
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