【完】キス、kiss…キス!
他にも、取り調べのような、はたまた面接のような圧力で、延々と質問される。


さっき倒れた人だとは思えないくらい厳格な態度。それに痺れを切らしたのは智さんだった。


「もういいだろーよ!飽きたし足痺れっちまったよ!」



「智さんは黙っていて下さい。足が痺れるというのは、日頃貴方が怠けている証拠です」


厳しく、そして冷たく一喝された智さんは、肩を竦めて胡座をかいた。


「広瀬さん、貴方がご年齢よりしっかりした方というのは良く分かりました。……でも、姫子さんとのお付き合いを許す訳には行きません」


智さんを一瞥した鋭い視線がこちらへ戻り、眉ひとつ動かすことなく言い切られてしまう。


……大丈夫、反対されるのなんて想定内だった筈。だから、心よ折れるな、頑張れ俺。
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