【完】キス、kiss…キス!
お茶をたてるときだって、裏は薄茶を泡立て全体を泡で覆うようにする。


泡に覆われた抹茶はふわふわとしていて、苦味があるなんて思えない見た目に仕上がっている。


俺がたててる間、お母さんは俺の指先をじっと、品定めするように見つめていた。


その刺さるような視線に、平常心が乱されてしまいそう。心なしか、手汗をかいてきた気がする。


ようやく俺はたて、俺はお茶をそっと差し出す。


お母さんは、美しい立ち振る舞いで動作に入っり、俺を魅了する。お母さんの作法の全ては、きびきびしてて美しい。


元々姫さんや智さんの親だし、容姿だけでもとても綺麗な方。でも、このきびきびした動作は更に彼女を美しく引き立てる。


「結構なお点前で」


すっとお辞儀されたら、その美しさに誰だって魅了去れ、ドキっとします。姫さん、決して浮気じゃないよ!と、心の中で弁解しちゃう程。
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