【完】キス、kiss…キス!
それを聞いたお母さんは、どこか儚げな顔をする。強く鋭かった彼女の印象が、その表情でがらりと変わってしまう程。
「広瀬さん、私は正直、貴方という人間を心底気に入りました。……しかしそれでも、お二人のことを認めるわけにはいかないのです」
「何故、ですか?」
俺が恐る恐る尋ねると、お母さんからはこんな言葉が放たれる。
「私は、姫子さんや智さんを女でひとつで育てて来ました。今まで不憫な思いを沢山させて来たのは承知してます。だからせめて、経済的にいい人と結婚させて何不自由ない生活をさせたい。親心として当然のことでしょう?それを理解してください」
お母さんが姫さんのことをどれだけ考えてるか、親としてどれだけ娘を愛してるか、その言葉だけで充分伝わった。
けれど、姫さんを愛してるってこの気持ちは、俺だって負けられない。
「広瀬さん、私は正直、貴方という人間を心底気に入りました。……しかしそれでも、お二人のことを認めるわけにはいかないのです」
「何故、ですか?」
俺が恐る恐る尋ねると、お母さんからはこんな言葉が放たれる。
「私は、姫子さんや智さんを女でひとつで育てて来ました。今まで不憫な思いを沢山させて来たのは承知してます。だからせめて、経済的にいい人と結婚させて何不自由ない生活をさせたい。親心として当然のことでしょう?それを理解してください」
お母さんが姫さんのことをどれだけ考えてるか、親としてどれだけ娘を愛してるか、その言葉だけで充分伝わった。
けれど、姫さんを愛してるってこの気持ちは、俺だって負けられない。