【完】キス、kiss…キス!
そして、ついに姫さんが怒り言葉に乗せた。


「貴方は昔っからそう!お金お金って言って私や智にろくに構ってくれなくて……私達はお金が欲しかったんじゃない!もし親を選べる権利があるなら、私は貴方なんかを母親には選ばない!」


姫さんが言った言葉。


それは、どれだけお母さんを傷つける言葉なんだろう。俺には計り知れない。


その気持ちを表すように、お母さんは今までで一番悲しみを堪えた顔をした。


そして、姫さんのその言葉に、俺もついにいてもたってもいられなくなって。気持ちが、セーブ出来なくなって。


パァン、と渇いた音が部屋に響く。


……俺が、姫さんの頬を叩いた音。


男が女に手を出すなんて、どんな理由があろうとも許されることじゃない。俺、最低だよ。
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