【完】キス、kiss…キス!
「晩御飯は食べた?」


「うん、塾の前に。大丈夫だよ」


私は朝と同様ブラックコーヒーをナオちゃんに出し、彼の冷えた体にブランケットをかける。


「姫さんって、もしかしてメールチェックしない人?」


「まぁ……忙しいし、電話の方が手っ取り早いのもあるから」


ナオちゃんの問いに答えると『じゃあ、今度からは電話にするね!』とまたまたふにゃあと笑った。


そのあざと可愛い計算ずくの笑顔に、ふわふわの髪の毛を思わず撫でたくなるくらいきゅうんとする。


コーヒーを飲んでいるとタイマー音が部屋に響き、私達の会話は一旦そこで途切れた。


「お風呂沸いたよ。冷えてるでしょう?入ってきな?」


「姫さん、コーヒーのみならずお風呂まで、至れり尽くせりありがと!」


ナオちゃんはキラキラふにゃあスマイルを私に向け、素早い動きで頬っぺたにキスしてきた。


は……反則的に可愛くて、避けることなんて出来ません。
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