【完】キス、kiss…キス!
「……オ、ちゃん。ナーオちゃん!起きて!」
「ん……んんーっ!」
いつもの優しい声が頭上に響き、俺は引っ付いた瞼を無理矢理開く。
目が覚めると、地面で寝てた筈なのに泊まってる間に借りていた布団の中にいて、目の前にはスーツ姿の姫さんが立っている。
「ごめんね、仕事があるから早くマンションに行かなきゃいけないから、ナオちゃんも準備して!」
「あ、そっかぁ。急いで準備するから待ってて!」
姫さんを仕事に遅れさせるわけには行かない。急いで荷造りしなきゃ。
そういえば、昨日どうなったんだろう、と気になりつつ、急いでいるから今聞くべきではないと判断し、少ない手荷物を雑に纏めた。