【完】キス、kiss…キス!
ナオちゃんが笑ってる顔を見せる度に襲う幸せの波。この波に、私は溺れて浮き上がれないんだ。
「姫さん、お待たせ。はい!」
ナオちゃんから林檎飴を受け取り口に含むと、甘い甘い蜜の味が、舌の上にふわんと広がる。
「甘い、ナオちゃんみたいだね」
「ふふ、俺より姫さんに近い味だよ、きっと」
はたから見たらバカみたいな会話だけど、私を胸キュンさせる会話。
この甘い味は、私達の恋の味なのかな、なんて、惚気めいたことまで考えてしまうくらい、幸福感で満たされていた。
……でも、そんな幸せって、永遠じゃないんだね。
「あれー?尚志じゃん!ヤッホーぃ!」
笑い合う私達の後ろから、一際大きく甲高い、それでいて鼻にかかった声が降りかかる。
「げっ……高坂」
その声の持ち主を確認したナオちゃんは、今までに見たことない、優しさも、怒りすら感じられない程に無機質な瞳に変わる。
それを見てると、言い表せない不安に駆られ、ずきんと心臓の血管に棘が刺さったように痛くなる。
「姫さん、お待たせ。はい!」
ナオちゃんから林檎飴を受け取り口に含むと、甘い甘い蜜の味が、舌の上にふわんと広がる。
「甘い、ナオちゃんみたいだね」
「ふふ、俺より姫さんに近い味だよ、きっと」
はたから見たらバカみたいな会話だけど、私を胸キュンさせる会話。
この甘い味は、私達の恋の味なのかな、なんて、惚気めいたことまで考えてしまうくらい、幸福感で満たされていた。
……でも、そんな幸せって、永遠じゃないんだね。
「あれー?尚志じゃん!ヤッホーぃ!」
笑い合う私達の後ろから、一際大きく甲高い、それでいて鼻にかかった声が降りかかる。
「げっ……高坂」
その声の持ち主を確認したナオちゃんは、今までに見たことない、優しさも、怒りすら感じられない程に無機質な瞳に変わる。
それを見てると、言い表せない不安に駆られ、ずきんと心臓の血管に棘が刺さったように痛くなる。