【完】キス、kiss…キス!
すっと寄って来て、逃げる余裕もないスピードで私の腰に長い腕を巻き付けたナオちゃん。


私が使ってるボディソープの香りがナオちゃんの露わな胸板から漂う。


この状況に、自分の心臓がどくどく鳴ってるのが分かった。


「姫さん、昨日あんなに激しい夜を過ごしたのに抱きしめただけで緊張してるの?」


耳に吐かれる甘い声と甘い吐息に、骨の髄までドロドロに解かされてしまいそうで、怖い。


「だ……だって、昨日はお酒の魔力があって!しかも覚えてないしっ」


私の言葉に更に強く絡まる腕は、そのドロドロな私をこぼすまいとしているみたい。


「俺は覚えてるけどなぁ。……姫さんの、左乳のほ、く、ろ。色っぽかったなぁ」


『ほくろ』を意図的に強調させるナオちゃんの可愛さは、最早凶器レベルだと思います。


くらくらっとした私に追い撃ちをかけるナオちゃん。


「忘れてるなら、思い出させてあげる……ね?」


覗いた顔がこれまでの顔と違ってあまりにも色っぽくて、ダメだと判ってるのに熱くなる体。


あぁ……もう、高校生だなんて嘘に決まってる。
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