【完】キス、kiss…キス!
神様のナミダ
昨日の夜は早苗ちゃんに送ってもらったけれど、家ににいるとナオちゃんの香りがする気がして。
今はそれさえ辛くて、私は浴衣から着替えて家を飛び出した。
そして、頼れるところなんてひとつしかなくて、私が向かったところは……。
「姫ちゃん、そろそろ戻れよー尚志君可哀想だし、イチャイチャ出来ないんですけどー」
「もー幸四郎、うぜえ!お前がホテルにでも漫喫にでも行けよな!」
幸四郎と伊久美の愛の巣でした。しかも居座ること三日です。はい、桶川姫子、お邪魔虫です。
「男って生き物はしょうがないもんなんだよ。女の涙には弱いし、嫌でも優しくしなきゃ精神が芽生えるもんなのよ」
「だけど、やっちゃダメっしょ!私は許さない。幸四郎がやったら即刻別れるけど」
同じ男としてナオちゃんの肩を持つ幸四郎に、幸四郎の発言やナオちゃんの行動へ怒り気味の伊久美。
二人には秋斗の時といい、お世話になりっぱなしだよ。いつも、申し訳ないと思ってる。