【完】キス、kiss…キス!
翌日、私はふかふかのベッドの中で目覚めた。
「……あれ?なんで?」
昨日、ソファーに寝ていたナオちゃんの傍にずっといて、ベッドに行った記憶なんてないのに。
ドアを開くと、お味噌汁の香ばしい匂いが鼻の中を支配する。しかも、アサリの凄く美味しそうな匂い。
「あ、姫さんおはよ」
ふにゃあと笑ったナオちゃんは、唇にピンク色を取り戻していて元気そう。
「姫さん熱あるから、今日はお仕事休みなさい。ね?」
「……へ?」
そういえば、言われてみれば体がだるい。今気づいたけど、額にひんやりとした違和感。
それを確認する為に額に触ると、外側ざらざら、額にふにっと冷えピタの感触がした。
……どうやら昨日、ホントにナオちゃんの熱を吸い取ったらしい。